マイナーな業界を探す際、
ターゲットとなる客層を変える事によってメジャーな分野をマイナーに変えられる可能性があります。
多角的に物事をみることが生き残りのカギとなります。
今回はこのターゲッティングについて
「観光客向け or 地元客向け飲食店のちがい」
の事例を例に挙げて解説します。
観光客向け or 地元客向け飲食店、戦略が違う
旅先で行った飲食店について、ガイドブックやネット情報をもとに選ぶ。
すると周りには明らかに観光客だらけ、ということが良くあります。
「地元客はどこへ・・・?」
その答えは「地元客向けのお店」に行っているのです。
そもそも、観光客と地元客では飲食店選びの基準が違います。
・観光客… 旅先でしか味わえないものが食べたい
・地元客… ちょっとした贅沢に美味しいものを食べたい
地元客からすれば、その土地の名物は既に馴染みがあるものです。
わざわざ人の多い観光客向けのお店に行こうとは思いにくい。
(とても美味しいお店の場合はその限りではありませんが…)
客層ごとにニーズが違うことを認識せず、商売をすることは危険です。
観光客向けの店 … 珍しさ・客数・客単価アップが重要
観光客向けのお店で重要なことは以下の通り。
・珍しさ(名物、全国的に数少ない …etc)
・客数
・客単価(リピーターになることを意識しない価格設定)
いかに非日常を演出するかが大きなカギとなります。
美味しさも重要ですが、記憶に残るインパクトを与えることができるかも大切。
旅先では財布のヒモも緩むため、客単価を高めることも比較的容易でしょう。
この際、お客様の多くは旅人であるため何度もお店をリピートして通うことも少ない。
リピーター獲得のための施策より、一回限りと割り切って強気の価格設定にすることが収益安定化のカギでしょう。
ただ、SNSが普及した現代においては昔のような「安かろう、悪かろう」の戦略では悪評が広まりやすいので注意が必要です。
<高付加価値、高単価>が大切。
地元客向けの店 … リピーター獲得が重要
地元客向けのお店で重要なことは以下の通り。
・美味しさ
・客数
・リピーター獲得(気持ちのいい接客含め)
最も重要なことは「リピーターをいかに多く獲得するか」です。
地域のお客様に「いいお店」だと評価してもらうことで何度も通ってもらえたり、良い口コミが広がります。
いいお店と評価されるためには料理の味も重要ですが、「居心地の良さ」「接客の質」も大きく関わってきます。
私の知り合いの飲食店経営者さんは
「オープンしたばかりのお店で、どういう曲をかけているかで長期的にやれる店か分かる」
とおっしゃってました。
ただ曲をかけるだけでなく、その時のお客さんの空気感に合わせて曲のジャンルを変えられるか。
居心地の良さに大きな影響を与えるそうです。
地元客に愛される名店、奥が深いですね…
ターゲットを変えればマイナーになり得る
観光客と地元客の違いが大きいことについて解説してきましたが、言い換えると以下の通り。
<ターゲットとする客層を変えると、需給バランスが変わる可能性がある>
自分が事業をしようとするエリアで、観光客向け・地元客向けの割合は大きく偏っているかも知れません。
ライバル・同業者が多くて、生き残れるか心配な方は是非ターゲットを変えることを検討してみてください。
まとめ: 事業をする際にはターゲッティングを明確にする
一見すると同じように見えるお客さんも、それぞれ求めているニーズは違う。
今回は観光客・地元客の違いについて解説しましたが、同じ観光客でも細かなニーズの違いはあります。
お客様ごとの細かなニーズの違いまで把握して戦略・戦術に落とし込むことが、生き残りの厳しい飲食店どうしの競争には重要です。
もちろん、どんな事業でもニーズの把握・ターゲッティングは大切です。
「自分はこういう事業をやりたいんだ」
という思いだけで突っ走るのはやめましょう。
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